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 ことばは、生きものである。

 故あって生まれたからには、ことばはそれぞれに成長、変化して、また、死ぬこともある。

 過疎ということばがある。

 まばら過ぎるとは、けっして山の樹木や、畑に撒いた人参の芽の出揃わぬことをいうのではない。

 まちがいなく、人間のまばらに暮らしているさまを指す。

 経済の高度成長、列島改造など耕地を無慈悲につぶす資本本位のマツリゴトから生まれてことばである。

 70年代初めの生まれで、まだ若いから古い字引きには「過密」はあっても、反対語のくせに、「過疎」は載っていない。

 ことばは、生きていることがらの影絵なのである。